monolithic kernel

HSPプログラムコンテスト応募作品振り返り

某氏から記事が短すぎるという怒りのメッセージをいただいたので、各作品の設計思想や気づいたことなんかを書いてみます。記憶があいまいだったり後付けな部分も結構ありますがご了承ください。

なお、作品は以下のページでダウンロードできますが、HSPを利用されている方はHSPTVブラウザから遊ぶことができます。HSPTV版は自動アップデートやオンラインランキングの機能が利用できて便利なので、そちらで遊ぶことをおすすめします。

snake

某ゲームの影響を受けてとにかく速いゲームを作った結果このような作品になりました。なぜスネークゲームのアレンジにしようと思ったのかはあまり覚えていません。

ブレーキの要素はテクニックが得点に影響するようにと考えて開発の後期に導入したものなのですが、実際には常時ブレーキを連打するのが最も効率がよいということが後でわかり、バランス調整の難しさを感じました。

reverse

マウスが上下左右逆に動くという案から勢いで作ったものです。テストしてみると思い通りに操作するだけでもうんざりするほど難しく、途中で開発を投げ出して応募したという感が強い作品です。

この作品を作った2008年はiPhone 3Gが国内で発売された年だけあって、影響されまくって無駄に凝っている箇所がいくつかあります。実物に触れたことがなかったこともあって今触るとかなり微妙ですけどね。

brake

流行りの弾幕シューティングゲームにはショットを軽視しているものが多かったので(同じ物を作っても仕方ない、という意味であって否定しているわけではありません)、ショットを打つことに神経を使う必要があるシューティングゲームとして設計しました。ショットを5発打つ度にリロードで待たされるので、必要な敵だけを必要なタイミングで倒すという戦略性を持たせることができたのではないかと思っています。また、ブレーキのシステムは今思えばリスクとリターンをプレイヤーに調整させるような要素になっていたのではないでしょうか。

反省点としてはグラフィックが地味だったという点が挙げられます。翌年以降の作品には改良されているものもあればそうでないものもありますが、少なくとも意識はするようになりました。

frame

物理エンジンを使ったゲームをつくろうと思い設計したものです。ちなみに、物理エンジン利用のきっかけはBOXSTGという作品です。

コンテストでの物理エンジンの利用解禁から2年目ということで、単純に物理エンジンを使ってみたという作品から一歩進んだものにしたいという思いがありました。そこで、物理エンジンの少し変わった使い方をしてそれがゲームの中でうまく機能するものを目指しました。そうしてできたのがステージの外枠を動かして敵を攻撃するというシステムです。この狙いはうまくいったようで、結果として優秀賞をいただくことができたのですが、ゲームバランスの調整に問題があったためにあまり活用されず、ある程度レベルの高いプレイヤーの中では死んだ要素になってしまいました。難易度の調整も微妙で、ある程度進むと中だるみのような感じになって、いきなり理不尽な死に方をするというさんざんなものだったと反省しています。

また、技術的なアピールポイントも用意しておこうと考えてリプレイ機能を実装してみたりもしました。容量を食う割にアピールできなかったようなので今年の作品では外していますが。とはいえ、プレイヤーがどのように遊んできるかを把握できたので、開発者としては実装してよかったと感じた要素です。

faster

単純に3Dのレースゲームを作りたかったので作った作品です。個人的に好きなゲームをパクって混ぜあわせた感じになる予定だったのですが、そこまで実装できなかったのでシンプルな現在の実装に落ち着いています。

3Dの描画を実現しているレースゲーム作品はこれ以外にも多数ありますが、カメラが左右と上下の2つの軸に回転する処理を実装しているものや、高精度のタイマで60fpsを実現しているものはあまり多くないようなので、そのあたりは差別化要素になっているのではないかと思います。もっとも、このあたりは差別化として意識したというよりは個人的に譲れない要素だったというところが大きいんですけどね。やっぱり速いのは正義だと思うわけです。

操作性は若干シビアな感じにするのが好みだったりするのですが、せっかくなめらかに動くようにしたのに触れてもらえないのは残念なので、簡単に曲がるような挙動で誰でもそこそこ走れるようにして、いかにハンドル操作を最小限に抑えるか、加速プレートを踏むかという面で得点を競うようなバランスにしてみました。

beat

MIDIを使って音を鳴らしてみるために作った作品です。MIDIに手を出すきっかけとしては、前年の作品のR_Tryの影響が大きいです。

音ゲーのようなものを目指したかったのですが、自分は音楽がわからないのでその辺に絞り込むことができず、脳トレっぽい要素を加えてひとつの作品としてまとめた結果このようなものになりました。グラフィックが凝っているのに音が4つ打ちだけというギャップはその辺に由来しています。

やってみると結構難しくてそれなりに遊べなくもないのですが、ただ早くなるだけで単調なのはちょっと残念ですね。コンテスト終了までに何かを思いつくことができれば投入したいと思います。

lock-on

開発時期が桜井政博さんの本を読んだ直後だったので、影響されまくってリスクとリターンを強く意識した作品になりました。具体的には、ロックオン数が増えるほどターゲットを画面外に逃してロックオンが解除されてしまうリスクが高まるが、得点が多く入るというリターンがあるという感じですね。リスクとリターンの大きさのバランスをプレイヤーがリアルタイムで判断して調節するという基本的なルールはうまく設計できたんじゃないかと思います。

なお、この作品は自分でも忘れるほどにさりげなく物理エンジンを使っていたりします。ゲームに大きく貢献しながらもあまり目立ちすぎないうまい使い方ができたんじゃないかと思います。

おわりに

全体的に速いのが好きですね、この人は。いろいろなところから影響受けまくりなのも振り返ってみるとなかなか面白かったです。